自己分析=これまでの人生に意味づけする作業。実は意味の後付けOKですよ!というはなし。
先日書いた、自己分析で導き出すべきたったひとつのこと という記事の中で、自己分析のGOALは「就職活動する意味・目的を明確に言語化する事だ。」と書かせてもらったところ、どういう事?意味が分からん。もう少し詳しく教えろ。という声を複数の学生から突き付けられましたw。
この記事では、もう少し「自己分析」という作業について、具体的な事例なども交えて詳しくお伝えしていければと思います。自己分析に悩むそこのあなた!要チェックやで!
自分の過去を意味づけする
理屈や考え方をお伝えするよりも、具体的にどういう事?が分かったほうがいいかと思いますので、昨日就職相談を受けた学生O君の「ガクチカ」の事例でお伝えしていきます。
まずは、意味づけを行わない最初のガクチカ。
力を入れたのは学習塾でのアルバイトです。
4名の第一志望校合格者を出す事ができました。第一志望校への合格を実現するために工夫した点は2つです。一つ目は過去の出題傾向を徹底的に洗い出し予測問題を作成したこと。二つ目は他校舎の先生の授業などを積極的に見て回り、説明の仕方や授業の進行方法などを徹底的に真似して授業の質向上に努めました。その結果、4名の第一志望合格者を出す事ができました。
意味づけを行ったガクチカ。
高校時代は受験で自分のことのみを考えて過ごしたので、
大学生活では”自分以外の誰かの人生に役立つ経験を積むこと”に力を入れました。
具体的には学習塾でのアルバイトです。第一志望の大学に合格したいという強い想いを持つ高校生を担当し、彼らが第一志望校に合格できるよう、過去の出題傾向を徹底的に分析し予想問題を作成したり、他先生の授業を見て自身の授業の質を高める等努力しました。結果、4名の合格者を出す事ができ、喜んでもらうことが出来ました。誰かの人生の分岐点に自分が役に立てる事はとても大きな喜びに繋がる事を知りました。
印象がガラッと変わったのが分かりますか?
ただ学習塾のアルバイトを頑張って成果出しましたよ。という話しから、O君が大学生活にどのようなテーマを設定して過ごし、その手段として「学習塾のアルバイト」に力を入れた。という学習塾アルバイトの意味づけがされています。
聞き手の面接官としても、アルバイトを頑張った学生という印象から、「他社の人生にコミットする事に全力を注いだ学生」という印象にグレードアップします。
この「高校時代は受験で自分のことのみを考えて過ごしたので、大学生活では”自分以外の誰かの人生に役立つ経験を積むこと”に力を入れた」の部分。ご察しの通り後付けです。
学習塾でアルバイトしようと決めた時も、合格させるために努力していた時も、「高校時代は受験で自分のことのみを考えて過ごしたので、大学生活では”自分以外の誰かの人生に役立つ経験を積むこと”に力を入れよう」なんて全く頭の中にありません。
でも、自己分析を通して、なぜ自分はあんなに高校生が合格できるように頑張れたのか?あんなにうれしかったのか?なぜ?を突き詰めていって、意味づけを行った結果上記のようなガクチカに変貌を遂げたわけです。
過去は変える事ができません。
でも、意味を加える事は出来る。
あの失敗は自分の人生でどういみ意味を持つのか?
今自分がやっている事は、未来に対してどのような意味を持つのか。
この意味づけするチカラは、就職時だけでなくその後のビジネス人生で大きな大きな武器になると断言します。
ガクチカがない。を意味づけする事例。
もう一つ事例を挙げましょう。
20年前なので参考にならないかもですが、校長Maruが20年前に就活で使った作戦です。
僕の大学生活は正直ロクなものではありませんでした。バイトは空いた時間で日雇いをたまーにするだけ。サークルも部活も、もちろん学生団体も、留学も何もしてません。合コンしたり、ナンパしたり、スノボしたり、クラブ行ったり、漫画喫茶でひたすら漫画読み続けたり、、、、。これ頑張りました!と言えるものははっきり言って皆無でした。時代はバリバリの就職氷河期です。
それでも大手広告代理店や入社したリクルートをはじめ、結構な数の内定をいただきました。
何の武器も、実績も、実力がない僕が唯一もっていたもの。それが意味づけ力でした。
ちなみにガクチカはこんな感じの事を話してました。
高校まで10年間野球に毎日を捧げてきましたので、大学生活は敢えて徹底的に「自由」を追求する!と決めて大学生活を過ごしました。
敢えてバイトも日雇いバイトしかせず、その日その時にしたいと思った事を全部やる。テレビで高松のうどんを見て食べたい!と思ったら、その瞬間バイクで高松に向かう。道行く女性がステキだと思えばその場で声をかける。そんな毎日を過ごしました。
自由を追求し続け、自由を謳歌し続けた結果、ただ自由なだけでは何も楽しくない。という事に気づきました。その経験が社会人として、結果や責任が求められる環境に身を置き、刺激的な日々を過ごしたいという強い想いを持つことに繋がったと考えています。
何にも頑張ってこなかった大学生活にどんな意味を持たせるか。ただ堕落的に日々を過ごしていたのではなく、意志を持ってその日々を過ごしていた。と意味づけしたわけです。
しかも、社会に向けて意欲に満ち溢れている覚悟まで伝わっている。
グループ面接で周りの学生が、留学を頑張ったとか、サークルの副部長だったとか話している横で堂々と話していました。留学やサークルの話しをする学生よりも圧倒的に面接受けは良かったと断言できます。
だって頑張ったことがないもんはないですから。ある武器で戦うしかない。
この戦い方の部分が、実は企業が見ているポイントだったりするわけです。
俗にいうコミュニケーション力、プレゼンテーション力というやつです。
自分の過去に意味づけする意味
書いた通り、僕にとっての大学生活は本当に何かに集中するでもなく、日々思いつくままに本当に色んなことを好きなようにやっていた毎日でした。ガクチカこそ「徹底的に自由を追い求める」という意味づけを行いましたが、そのような日々を過ごした事の意味をどう理解するか。が僕にとっての自己分析のGOAL=就職する意味に繋がりました。
僕には年の離れた二人の兄がいます。当時二人の兄はいずれもスペシャリスト(専門職)の道を歩いていました。兄弟の中で僕だけが方向を定めずに、何がやりたいのか分からないまま日々過ごしていました。
自己分析の作業を通して、
自分の学生時代は、兄二人のように道を定める事ができない自分へのもがきの毎日だったと意味づけし、
就職する意味は、
企業の大きな力を借りて、兄二人では成し遂げられない多くの人に影響を及ぼす”何か(当時はブランドという言葉で表現していました)を成し遂げて、兄へのコンプレックスを払拭するために就職する。という意味を見出しました。
あとは、それを実現できそうな業界や企業、職種を絞り込んでいく。という作業です。
面接では、僕はこんな事を考えていて、こんなことを実現したいのですが、御社であればどういう形でそれが実現できますか?という逆質問スタイルで挑み続けました。
過去と現在の意味づけが定まれば、社会に出て何をなした成したいかの未来がおのずと決まってきます。
全て後付けで意味づけしているのですが、
ウソをついているわけではなく、むしろ自分自身のアイデンティティがしっかりと整理できてストンと腹落ちする。
そこまで意味づけができれば、ガクチカも、志望動機も、自己PRも恐れるに足らずです。何の準備もなく面接に挑んでも、面白いくらい通過します。
まとめ
具体例を交えてお伝えしてきましたが、例は例。自分ならどうなの?が難しい。という方が多いかもしれません。
意味づけの考え方やノウハウはいくらでもお伝え出来ますが、あなたの過去の意味づけや社会に出て成したい事の答えはあなたの中にしかありません。最終的には自分の力で導き出す必要がありますが、1on1でのカウンセリングを通して、そのサポートをすることは可能です。
もし興味があるという方は、「個別キャリア面談」も随時受け付けていますので、お気軽にお申し込みくださいませ。
それではさようなら。